K.K(技術部)
海外での仕事は、技術者として大きく成長するチャンス。
若手のうちに経験して、グローバルな人材に育ってほしい。
技術部 次長K.K
機械科卒 1989年入社
業界で初めての試みに挑戦
私がプレス工業を就職先に選んだのは、自分の好きな自動車を作る仕事に就きたかったからです。入社して最初に配属されたのは川崎工場の設計課で、6年ほど大型アクスルの設計を担当していました。その後、ゲストエンジニアとして国内の大手トラックメーカーへ3年間の派遣を経験。派遣先の社内に常駐して、設計に関するさまざまな改善提案を行う仕事です。メーカーの内部で図面を起こす段階から関わりながら身に付けた製品作りの知見やノウハウは、貴重な資産としてその後の設計に活かすことができました。
派遣期間が終了した後に注力したのは、お客様のコストリダクション(費用削減)を推進するための施策です。それまではお客様の設計仕様に応じて多品種少量生産していたアクスルについて、当社の標準規格を決めて工程の効率化と製造原価の低減をはかるという提案を、国内の大手トラックメーカー4社に行いました。欧米のアクスル専門メーカーでは一般的な手法ですが、日本では行われていません。調整が難しくて実現できませんでしたが、業界初の試みに挑戦するのは、とてもやりがいのある仕事でした。現在の海外技術支援業務においても、そのチャレンジ精神を大いに発揮しています。
海外事業ならではの大きな喜び
2012年から5年間、タイに駐在して現地に3カ所ある工場で技術支援を行いました。今も1年のうち約半分はタイに出張して、現地メンバーへの技術指導から品質・コスト・生産性の支援など、幅広い業務を担当しています。同じアジアとはいえ、文化や生活習慣、仕事に対する考え方も日本とは異なるので、慣れるまでは苦労しました。日本だと口に出して言わなくても伝わることが、なかなか理解してもらえません。グローバルな基準からすると、日本の方が特殊なのかもしれないと思うこともありました。
タイは世界的な大手メーカーがピックアップトラックを製造する一大拠点です。当社のタイ工場がそれらのメーカーに納品するシャシーフレームやアクスルケースは年間数十万台に達し、従業員も約3千人の規模です。モデルチェンジや増産など、さまざまな新規プロジェクトが有り、技術者として新しい試みに関われるのも、タイで仕事をする⼤きな魅⼒です。現地のメンバーと苦労しながら開発した製品の量産化に成功した喜びの大きさは、国内の事業では、なかなか味わえないかもしれません。
若手を伸ばすための環境づくり
よく、最近の若者は元気がないと言われますが、その主な原因は力を磨き、発揮する場がないことです。当社は、若手に挑戦する機会を与えながら、伸び伸びと成長できる環境づくりに努めています。私の部署だけでなく、若手を海外で勉強させようという全社的な方針のもと、設計部などのメンバーもタイやスウェーデンへの出張が増えてきました。海外経験は技術者として大きく成長するチャンス。グローバルな志向のある人は、ぜひ若いうちに経験してほしいと思います。
社風について
“誠実と努力”は経営理念に掲げられた言葉ですが、諸先輩から受け継がれてきた当社の伝統でもあります。さまざま企業で偽装や粉飾といった問題が起きている今、その意味の大切さを実感しています。それを若手に伝えていくのも、私の使命なのです。
学生時代にやっておくべきこと
これからの時代は、どんな仕事に就いても海外との関わりが必要になってくるでしょう。ぜひ、学生のうちに海外へ行って、異文化に触れて欲しいと思います。